e-BIKEのバッテリー選び、メンテ、交換、これだけで大丈夫 

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惣塚利郎

惣塚利郎

大学卒業後、P&Gとアップリカで財務、営業、トレードマーケティング本部長を歴任後、株式会社ムサシ に於いて、e-BIKE事業、Musashi Velo ブランドを立ち上げる。 趣味: 旅行、Outdoor (登山、キャンプ、カヌー)、朝市

e-BIKEの購入前に、e-BIKE心臓部にあたるバッテリーの事は知っておくべきですよね。これからe-BIKEに乗るうえで、バッテリーはとても重要で、慎重に選ぶべき部品の一つです。そもそもe-BIKEとは“electric-BIKE”の略称で、バッテリーはなくてはならない重要パーツです。自転車だけでなく、バッテリーそのものへの理解や、自転車とバッテリーの総合的な視点からe-BIKEを選ばないと、購入後に、e-BIKEの性能を引き出せなかったり、日々の使用で困ったりするかもしれません。

e-BIKEのバッテリーは何を基準にきめればいいですか?」

「バッテリーは何年くらいもちますか?」

「バッテリーは交換できますか?」

「バッテリーを長持ちさせる方法はありますか?」

このような質問をこの1年間よく耳にしました。今回の記事はe-BIKEを選ぶ際の重要ポイント、ベストな使用方法、廃棄までの一連の流れに沿ってバッテリーの疑問を一つずつ解決していきたいと思います。

この記事を読めば、バッテリーの基礎知識がみにつき、自分にあったe-BIKEが選択でき、安心して、正しい日々のバッテリーの取り扱いができるようになります。

1.e-BIKEのバッテリー選びが重要な3つの理由

バッテリーは、ペダルやサドルなどと違い、気に入らないからといって、購入後のバッテリー容量などの仕様変更や、バッテリーの設置個所は変更できません。(もちろん、寿命によるバッテリー交換はできます。)だから、e-BIKEにおいて、バッテリー選びが重要になってくるのです。

1.1 e-BIKEライフを左右する容量 

バッテリー容量航続距離に直結します容量の小さなバッテリーを選んでしまうと、移動距離が短くなったり、バッテリー充電頻度が増えたりします。楽しもうとおもっていたロングライドに影響がでてしまったり、毎日充電しなければいけないなどの悲劇が起こる可能性があります。バッテリーの容量を後日足すことはまずできないので、慎重に選びましょう。

1.2 e-BIKEライフで困らない充電方法 

バッテリー一体型だと困るケースもあります。極端な例だと、エレベーターのないマンションの3階に住んでいて、充電を家でするとなると大変です。会社の駐輪場、一戸建てやエレベーターで自宅まで上げられる場合なら、心配無用ですね。いずれにしても、充電方法を想定しておくことは大事ですね。

1.3 e-BIKEライフをリッチにするデザイン 

やはり、かっこよく乗りたい。かっこいいとみられたいなら、機能だけでなく全体のフォルムやデザインも大事です。バッテリーの位置やサイズはe-BIKEのデザインを大きく左右します。そして、ほぼすべてのe-BIKEは、ペダルやライトを後日変更できますが、バッテリー位置やサイズを後日変えることはできません。いつも、楽しくのるにはデザイン性も考慮しましょう。

2. e-BIKE購入時に、考えるべきポイントは、容量と充電方法! 

e-BIKEのある生活を楽しむなら、ライフスタイル(どのような乗り方をするか)をまずイメージしましょう。そうすれば、必要な容量や充電方法も自然と見えてきます。そうはいっても、ライフスタイルから決めることはなかなか難しいので、シンプルに数字からきめる、という簡便法も良いと思います。また、充電方法はメリットデメリットを比較して決めていく事をお勧めします。

2.1 シンプルに考えるなら、おすすめはバランスのよいバッテリー容量10~12Ah

e-BIKEの充電頻度やライフスタイルからバッテリー容量を決める事が理想ですがそれが難しいなら、バッテリー容量を示す(Ah)から決め打ちするアプローチがあります。走行距離に一番影響するのはバッテリー容量です。メーカーの計測方法の違いや表現方法(走行距離、最大走行距離など)の違いなどから、一概にメーカー間比較が難しいです。そこで、客観的な容量をみましょう。容量を考える上で、容量の大きいものと小さいものメリットデメリットも理解して、バランスのとれた容量を選びましょう。

容量

(~10Ah

(10~12Ah

(12Ah ~)

移動可能距離

短い

バランス

長い

重さ

軽い

バランス

重い

価格

安い

バランス

高い

  • 大容量バッテリーの特徴:容量が大きくなると、移動可能距離が長くなる、充電回数が減るという長所があります。一方で、バッテリー重量、ひいては車体重量、が重くなるという点と値段があがるというデメリットがでてきます。車体自体の重さが増すと、取り回しが難しくなり、安全運転の視点からもあまり良くないと思えます。
  • 小容量バッテリーの特徴:容量が小さくなると、車体重量が軽くなる、価格が抑えられるといった良い面も出てきます。デメリットは、移動距離が短くなる、充電回数が増え電池寿命が短くなるという点です。バッテリーの劣化問題は、容量の小さなバッテリーでは特に深刻です。劣化が始まると、本来の半分くらいしか充電できなくなることがあります。12Ah なら6Ah 相当になります。小さい容量の電池は、元が6Ahなら、3Ahとなります。3Ahとなるとほぼ使用目的に見合わなくなります。容量の小さなバッテリーは、一見良さそうに思えますが、大容量よりも、おすすめできません。

2.2. メリットとデメリットの比較が大事な充電方法

バッテリーを自転車本体から取りはずして充電するタイプとe-BIKE本体にバッテリーが内蔵されていて直接e-BIKEに充電するタイプの2種類に分かれます。それぞれのタイプにはメリットデメリットがあり、自分のニーズを明確にして選びましょう。

 

取り外し充電型

バッテリー内蔵型

メリット

(良い点)

充電しやすい

防雨防塵

自転車のデザイン性

盗難されない

        • 取り外し充電型の最大のメリットは、充電のしやすさ。バッテリーだけを取り出し、屋内で充電できる事は大きなメリットです。特に、マンションにお住いの方だと、バッテリー内蔵型を充電する場所・コンセントの口が駐輪場にないという事が多々あります。ミニベロやe-BIKEを家で大事に保管されるかたは別ですが、充電方法は購入前には必ずチェックすべきポイントです。
      •  
        • バッテリー寿命をのばすには、防雨防塵は大事なポイント。バッテリー内蔵型の機能面でのメリットは防雨防塵対策に良いという事です。軒などのない場所で長時間管理される方なら、バッテリー内蔵型がいいです。どのバッテリーも安全上基本的な防雨防塵はされていますが、バッテリー自体がフレームの中にあり、直接雨やほこりにあたらないという点は、バッテリーを長持ちさせるうえでは、かなり良いです。
      •  
        • 自転車のデザインにこだわるなら、バッテリー内蔵型。最終的にはデザインは好みの問題ですが、取り外し充電型は自転車が本来持つ美しさを損ねているケースが多いと思えます。シルエットでみるとよくわかるのですが、取り外し充電型は、車体の一部に不自然な突起物があるようなシルエットになり、美しいと言いにくいケースが多いですね。その点、内蔵型は凹凸をかくしているので美しいフォルムの物が多いですね。
      •  
        • 盗難されにくいのはバッテリー内蔵型。e-BIKE(スポーツタイプ)ではあまり聞かない事ですが、取り外し充電型のママチャリタイプやミニベロタイプでは、盗難被害にあった方が多い事に驚きました。バッテリー内蔵型ならこのような問題はありません。交換バッテリーの値段も結構高いので、お財布に痛いですね。

       

      補足;e-BIKEのバッテリー容量選びは“ルーティン”が鍵。携帯電話を枕もとで毎夜充電するルーティンのように、e-BIKEの充電もルーティンにしてみると、e-BIKEがより身近な存在になります。充電をルーティンにすると、多く乗った週や、少なかった週がよくわかります。1週間の移動距離を理解して、充電頻度を決め、それにあう容量を見つけるという流れになります。

      • ガッツリ乗るなら、充電回数は週に12回が目安。日曜の夜から朝にかけての充電を習慣づける。それで足りない方は、追加で週のどこかでもう1回充電する。そうすると、e-BIKEライフスタイルの良いリズムができると思います。あまり乗れなかった週は電池残量マークが減らず、もっと運動しなければ、となります。   
      • 毎日の移動距離が短く、充電の手間を省くなら、2週間に1回充電が目安。ほぼ毎日乗るけれど、移動距離が短くて、あまりバッテリーが減らない方には、2週間に1度の充電頻度で考えるのも良い事ですね。バッテリーがなくなれば充電、思いついた時に充電、ではなく充電にもリズムを持たせることをお勧めします。

      3. e-BIKEのバッテリーにも寿命がある

      現在、携帯電話もe-BIKEもリチウムイオンバッテリーが主流になっているので、携帯電話をイメージしていただければわかりやすいと思います。寿命が長いと言われるリチウムイオンバッテリーですが、バッテリーはあくまで消耗品です。リチウムイオンバッテリーは充放電を繰り返していくうちに徐々にバッテリーの性能が劣化し、走行できる距離が短くなってきて、e-BIKE本来の性能を発揮できなくなります。

      3.1 e-BIKEのバッテリーの寿命の目安は3年から5

      バッテリーの技術革新で、最近では、2年で劣化が始まるバッテリーは減ってきているのが現状です。それでも、バッテリーの寿命年数は、数年の幅があります。これは、個々の使用と管理状況(主に充電頻度)により影響を大きく受けるからです。正しく使用、管理して、より長くバッテリーを使用しましょう

      3.2  充電頻度を正しく管理すれば、5年以上のバッテリー寿命も可能!

      バッテリーの劣化には、繰り返しの充放電による劣化と経年による自然劣化の2つの要素があります。充電頻度による劣化の目安は、600回もしくは700900というメーカー表示が多いです。毎週1回充電しても、年間約50回で、600回に到達するには12年、週に2回充電で6年持つ計算になります。最近のバッテリー品質・技術の向上など総合的に考えて5年以上は使えるという意見は海外のバッテリーメーカーやe-BIKE関係者から聞くことはあります。無駄な充電をやめ、正しいメンテナンスをしましょう。

      3.3 ほとんどのバッテリーは交換が可能! 

      取り外し型であろうと内蔵型であろうと、技術的にバッテリーが交換できないというケースは稀です。大手メーカーになれば独自開発もあり、個人での交換が難しい場合もありますが、倒産しにくくアフターサービスがしっかりしている事も多いので安心できる傾向にあります。一方、無名のガレージブランドや新興メーカーは一見交換できないかと心配になりますが、逆にグローバル視点で見ると海外の汎用バッテリーを使用していることが多く、構造も大手メーカーよりシンプルで交換しやすい傾向にあります。後者に対する事実はあまり明かされていませんが、海外の販売サイトを調べれば、交換バッテリーが安価に調達しやすい事が多いです。

      3.4  将来のための予備の交換バッテリーの購入は不要 

      理由は簡単で、バッテリーは自然劣化が起こるからです。気に行って購入したe-BIKEなので、出来る限り長く乗りたい気持ちはわかりますが、バッテリーが自然劣化を起こすことを知っていれば、今すぐ使用しないバッテリーの購入は無駄になる可能性が高いとわかっていただけると思います。

      4. バッテリー寿命が伸びるメンテナンス4つのポイント

      バッテリーには寿命がありますが、管理、メンテナンスをしっかりすれば、長く使えます。せっかく購入した高価なe-BIKE、正しいメンテナンスで安全に長くのりましょう。

      4.1 充電頻度をへらす

      まず、すべきことは「充電回数を減らす!」ことです。20%から100%への充電も、80%から100%への充電も、1回の充電とカウントされますので、バッテリーの残量が、減ってから充電しましょう。残量が20%くらいからの充電が理想です。

      4.2 理想の保管環境は約1525

      高温や低温の場所での保管、充電は避けましょう。特に、外気温が高い場所での充電は、バッテリーに良くないです。室内での充電なら、自然とこれらは守れると思います。屋外での管理であれば、できる限り日陰に駐輪する事を心掛けましょう。バッテリー内蔵型なら、タオルをかけたりして直射日光をさけるなどの対策も有効です。

      4.3 バッテリーを空にしない

      リチウムイオン電池は、バッテリーが空になると、更に放電しようとする性質があり、これが劣化の原因になると言われています。日々の生活ではバッテリーを空にしない。また、長期間使用しない場合はバッテリー残量を50%程度残した状態で保管し、数ケ月に一度は確認、充電することを心がけましょう。

      4.4 充電を終えると、放置しない

      満充電を継続すると、過充電になり、劣化がはじまります。充電を終えるとできる限り速やかに、コンセントを抜きましょう。 

      5.  バッテリー交換には充電回数データを活用! 

      バッテリー交換は、使用感や使用年数でなく、計測データ(充電回数、電池劣化の計測など)を基に交換しましょう。充電しなくなってきたなという感覚や、購入日からの経過年は、あくまで、交換への目安で、最終的には、計測データで確認する事をおすすめします。実は、多くのメーカーでは、バッテリーの劣化度合いや充電回数を調べる方法が取り扱い説明書やFAQにのっています。充電頻度が増えてきたなと感じたら、一度、劣化状態や充電回数を確認して、交換時期かどうかを確認しましょう。

      5.1  充電回数を確認する事が最善策

      バッテリーの劣化に一番影響を及ぼすのは充電回数です。だから、充電回数を確認する事が最善策です。 例えば、Musashi Velo CS01 なら、モニターディスプレイから、充電回数(Cycle)が確認できます。メーカーにより、確認方法は違うので、取り扱い説明書で確認してください。

      5.2  充電回数がわからないなら、実力容量

      取り外し充電式のバッテリーに多いパターンですが、購入段階を100%とし、現在のバッテリーの容量を確認します。満充電しても、70%となれば購入時より30%容量がおちている、つまり30%劣化している事を示します。メーカーの推奨に従うべきですが、実力容量が70%~50%なら交換時期と思います。

      補足 Yamahaなら診断機設置店:Yamahaの電動アシスト自転車に限定されますが、この方法が一番正確です。Yamahaの電動アシスト自転車なら、診断機設置店にバッテリーを持ち込めば、電池の状態を計測してくれます。ここまでユーザーサポートしているのはすごい事です。世界でも類をみないサービスです。

      6.  バッテリーの安全な廃棄は必ず市町村で確認

      リチウムイオン電池は危険物ですので、通常の燃えるごみや燃えないゴミの日に出すのではなく、先ずお住いの市町村の担当役所に確認しましょう。廃棄・焼却方法が各市町村で違う事もあり、メーカーではなく、各市町村に確認しましょう。くれぐれも、リチウムイオン電池は危険物なので安易にゴミ箱にすてないようにお願いします。

       

      e-BIKEのバッテリーに関する基礎知識が網羅されていたと思いますがいかがでしたか? e-BIKEの購入や日々の使用に関しての疑問はなくなりましたか?  e-BIKEにおけるバッテリーはすごく大事な部品であるので、正しく理解して、選んで、長く安全に使用して、e-BIKEライフを楽しみましょう。

      変速いらずの次世代電動アシスト自転車 Musashi Velo

      機能とデザインの両方を兼ね備え、“ペダルを踏み込むたびに笑顔になる”。そんなe-BIKEが、Musashi Velo CS01です。踏み出した瞬間から、軽く、そして俊敏。変速の要らない「モノギア」(シングルスピード)はチェーン外れの心配も無用、またハンドル部分のシフトレバーといった余分なパーツも省いて⾞体の軽量化を実現しました。Musashi Velo CS01の⼼臓部には、独⾃の「5段階電動アシストプログラム」を搭載したユニットを採⽤しています。“軽快な踏み出しといつまでも続く快適な⾛⾏”をもたらす後輪モーターは、30年以上の歴史を持つ台湾の⾃転⾞メーカーと協業し、開発を重ねて実現しました。17kgと軽量化された車体は、階段なども⾞体を簡単に持ち上げてクリアでき、電動アシストモードをOFFにして普通の⾃転⾞として使⽤してもストレスなく⾛⾏可能です。

      Musashi Velo の販売ページをご用意したのでこちらをご覧ください。

       

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