e-BIKEは公道を走れるの? 失敗しない公道を走れるe-BIKEの選び方

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惣塚利郎

惣塚利郎

大学卒業後、P&Gとアップリカで財務、営業、トレードマーケティング本部長を歴任後、株式会社ムサシ に於いて、e-BIKE事業、Musashi Velo ブランドを立ち上げる。 趣味: 旅行、Outdoor (登山、キャンプ、カヌー)、朝市

普通に街中、公道を走れないe-BIKEがある事を知っていましたか? 高いお金を出して、それが、街中を走れないと購入後に知ったらガッカリですよね。そのような悲劇が起きないように、ここでは日本の法律と基準をわかりやすく説明した上で、筆者の1年にわたる調査に基づく、最近巷にでまわっている公道走行不可のe-BIKEの見分け方をお伝えします。これさえ知れば、公道を走れるe-BIKE選びは大丈夫です。そのうえで最新のおすすめe-BIKEまで紹介させていただきます。

注: この文章でかかれている、e-BIKEとはスポーツタイプの電動アシスト自転車を示しています。

 

1.公道を走れるe-BIKEと走れないe-BIKE がある

今までの人生で乗ってきた自転車のように手軽に公道を走れるe-BIKEと走れないe-BIKEがあるのを知っていますか? 是非e-BIKEの購入前にその違いを理解しましょう。

1-1.公道を走れるe-BIKEとは?

日本の道路交通法に電動アシスト自転車の基準が記されていて、その基準に準拠して製造されている自転車は、普通の自転車のように公道を走ることができます。別の言い方をすると、この基準を守れていない、公道を走れない自転車も沢山販売されています。 

1-2.公道を走れないe-BIKEが製造・販売されている背景 

公道を走れないe-BIKEの多くは輸入品や海外モデルになります。世界中の国がそれぞれ独自の法律や背景で基準を決めているので、海外モデルをそのまま輸入すると、その国では合法だが、日本では違法e-BIKEになることがあります。インターネット販売が普及し、海外のe-BIKEが簡単に購入できるようになったから、このような事が身近に起きるようになりました。 

1-3.公道は走れないが、私道なら大丈夫

私道、私有地という限定された場所でなら、日本の電動アシストの基準に準拠していなくても、e-BIKE自体を楽しむことはできます。レースなどはこのケースになります。また、かなり手間はかかりますが、原動機付自転車としての装備を整え、原付登録をすませ、運転免許証を所持し、e-BIKEで公道を走るという手段も可能ではあります。 

2. 公道を走れるe-BIKE(電動アシスト自転車)の覚えておくべき、3つの基準

折角なので、電動アシスト自転車に関する日本の道路交通法の3つの大きなポイントを理解しておきましょう。特に注意点すべきポイントは、アシストの速度制限があるという事とアシスト力にも上限があるという事です。安全な社会生活を送るために設定された基準なので、覚えておいて損はないですね。

 

2-1. 時速24㎞を超えるとアシストしない

日本では時速24kmをこえてアシストをしてはいけません。並行輸入のe-BIKE に時速24kmを超えてもアシストし続ける機種がよく見受けられます。ヨーロッパの多くの国と中国の最高速度は時速25kmで、アメリカの多くの州は最高速度20mile(時速約32㎞)に設定されています。これらの国向けに製造されたe-BIKEのアシストは、日本の基準では、オーバーになります。これらの機種を日本国内で、楽しむには、私道で乗るか、原付登録するしかありません

2-2. アシスト比率1対2をこえてはいけない 

時速10㎞までの走行は、人力(こぐ力)1に対して最大アシスト力は2までであり、時速10㎞をこえるとアシスト力はこの1対2から徐々にさがる事とあります。この基準は日本独自のものであり、踏み出し時に、必要以上のアシストをさけ、安全にスタートする事が考慮されています。スポーツバイクの中には、瞬発力を活かしたもの、パワーを売りにしているものもあります。 

2-3. ペダルをこいでいない時に、勝手に動かない 

電動アシストとは、あくまで人力(こぐ力)に対してのアシスト機能であり、人力がかかっていない時にアシストをしたり、自転車が勝手に動き出してはいけません。ペダルをこいでいないのに手元のスロットルで動き出すケースが代表的な例です。こがずに進むことは便利なのですが、これは電動アシストでなく、原付となります。

3. 公道を走れないe-BIKEを見分ける注意すべき6つの単語

覚えておくべき単語は6つです。街中にあるe-BIKEショップで購入するのであれば、店員さんに相談する事が、一番安全な方法と思えます。しかし、まずはネットで自由な時間に検索する事も多いと思いますし、必ずしも近くにe-BIKEショップがあるわけではないと思いますので、公道を走れるe-BIKEを自分で見分ける注意すべき6つの単語とその背景を理解しましょう。  

3-1. 電動バイク

電動バイクとは電気で自走するバイクを意味します。スロットルが付いていて、こがなくても動き出します。ペダルもついている事もあるので、見た目では、自転車かと思われるかもしれませんが、自走すると原付になります。

3-2. スロットル付

スロットル付電動アシストという表現がたまにありますが、日本に於いては、スロットルで動き出すと、原付になります。  

3-3. 3ways

3ways とは自転車、電動アシスト、電動バイクの3種類の乗り方ができるという事で、この3つ目の電動バイクが違法もしくは原付に該当します。

3-4. 基準

EU基準、US基準という言葉もリスクがあります。 その国の基準は満たしているという事ですが、裏を返すと、日本の基準を満たしているとは言っていません。むしろ、準拠していないケースが大半です。EUやアメリカの基準を満たしているから一瞬安全かと気を緩めがちになります。しかし、使用が日本国内なら、日本国内の基準を理解して、基準をみたしているかどうかで判断してから購入しましょう。

3-5. 最高速度25km

最高時速が24km をこえると、電動アシストがとまることを商品説明や仕様書から確認しましょう。商品アピールには書かれていないこともありますが、商品仕様や商品スペックとして書かれているこことがあります。アシスト時の最高速度が時速25㎞以上であれば、残念ながら日本基準ではありません。

3-6. 出力500w(もしくは、それ以上のw数)

出力500w(ワット)自体は違法ではないのですが、一般的に250wか350wで十分なアシスト力を発揮しています。 500wというとほぼ原付1種同等のパワーがあり、すごいパワーです。アシスト力1:2の基準をこえていたり、電動バイクであったりする可能性があるのでご注意ください。

4. e-BIKE選びのポイントである、3つのカテゴリー

まずは、代表的なe-BIKEの3つのカテゴリーの特徴を理解しましょう。 自転車同様に、最近はe-BIKEも色々な種類が発売され、より細分化されていく傾向にあります。まずは、公道を走れる代表的な3つのカテゴリーの特徴を理解して、自分にあうe-BIKEを探しましょう。

4-1. 万能タイプのクロスバイク

ロードバイクとマウンテンバイク(以下MTB)の中間に位置し、街乗りを中心とする方にはベストです。軽快な乗り心地で20㎞くらいまではらくらく移動できます。タイヤも極端に細くなく、段差やパンクの心配もあまりしなくて大丈夫です。価格においても、比較的低めの設定からあります。  

4-2. 長距離タイプのロードバイク

長距離移動なら、ロードバイクがお勧めになります。通常使いも可能で、ドロップハンドルに大口径で細いタイヤは、高速運転・長距離運転に向いています。筆者の経験上、距離が50㎞以上の移動になると、ロードバイクが一押しになります。ただし、街中を中心に走る方には、必要以上なスピードをもてあましがちになったり、細いタイヤがパンクや段差乗り越えの負担になります。

4-3. 短距離、悪路に強いマウンテンバイク

本来アウトドアを疾走するタイプで、そのタフさが最大の特徴です。悪路に強いタイヤとサスペンションは、街中の段差や少しの悪路でも、快適な乗り心地を保証します。一方で、e-BIKEといえども、5km、10㎞と移動距離が少し長くなると、その重たい車体や悪路に強いタイヤは負担になる事も理解しておきましょう。

5. 最初のe-BIKE にはクロスバイクをお勧めする3つのポイント

総合的に考えると、やはり、クロスバイクがおすすめになります。e-BIKE選びは悩むポイントが多いことでしょう。 公道をはしれるという事は基本中の基本として、その次に考えるべきことは、どのような状況で乗るか、自分の体力や経験は、そして、お財布のゆとり、の順番で考えることが大事でしょう。 

5-1. 公道を走れ、通勤通学に向いている 

一番使用頻度が高いのはやはり通勤・通学になると思います。通勤・通学に向いているかどうかは大きなポイントといえます。毎日の移動距離(20㎞以下の範囲)、道路コンディション(多くのストップ&ゴー、小さな段差)、日々のメンテナンス(パンク、空気、駐輪の簡単さ)を考えると、一般的にクロスバイクが最適でしょう。クロスバイクは、バランスのよいオールラウンダーです。

5-2. 乗りやすさが安全につながる 

最初のe-BIKE、久々の自転車には、乗りやすさは大事なポイントです。乗りやすさは安全に直結します。最初から乗り慣れていないドロップハンドルで、スピードが出ることは、少し危険です。特に、e-BIKEは簡単にスピードが出るので気を付けましょう。MTBの重たい車体や幅広ハンドルも慣れが必要です。クロスバイクは操作がしやすく、比較的ママチャリにも近いのでe-BIKE の中では一番乗りやすいと思います。

5-3. 最後はコスパ

専門性に特化する傾向にあるロードバイクやMTB は高額になる傾向があります。1台50万円以上の高額品もあります。軽量化をはかったカーボン素材、俊敏性をもとめたミッドモータードライブ、耐久性を強化したフレームやサスペンション、それぞれに意味があり高額になる理由もあります。ただし、最初のe-BIKEとなるとこの価格は少しきびしいと思います。また、これらの性能(この価格)を引き出す乗り方をしないことも多く、もったいないと思います。 

6. クロスバイクカテゴリーから、おすすめのe-BIKE3機種

最後の楽しみであり、悩みは、“これ”と思える一台、自分の一台を見つける事です。機能、デザイン、価格、ブランド、乗り心地、海外、あこがれ、など色々な視点があると思いますが これら、総合的にみて、個性が光る3機種をおすすめしたいと思います。 

6-1. 次世代型、スタイリッシュ、 Musashi Velo CS01

新興ブランドのMusashi CS 01 がすごい。e-BIKE の能力を最大限に引き出す、変速ギア不要のモノギア設計は、e-BIKE の歴史をかえる発想と技術力になります。漕ぎだしの軽さ、トップスピードまでのスムーズなサポート、坂道でも変速ギアを必要としないその乗り心地は驚きです。また、インチューブ(バッテリー本体内臓)方式を採用したミニマムデザインは、その漆黒の美しさを引き立て、今までのe-BIKEと一味違うシルエットになります。価格も抑えられていて、おすすめの一台です。

デザイン★★★★★
性能★★★★☆
コスパ★★★★★
価格(税込み)24万円

▼Musashi Velo CS 01

6-2. 信頼できる世界のトップメーカー、 SPECIALIZED VADO SL 5.0

随所にトップメーカーならではの性能を秘めた最高峰。Turbo Connect Display, カーボンフォーク、油圧ブレーキ、などの、随所にみられるこだわりの最高パーツが最高のパフォーマンスを生み出しています、別売りバッテリー装着で最高航続距離が195㎞まで可能なので、体力があれば、1日フルに楽しめます。性能だけでなく、乗っていること自体がステイタスの1台になります。

デザイン★★★★★
性能★★★★★
コスパ★★★★☆
価格(税込み)56.1万円

6-3.  やはり日本の老舗、 Yamaha YPJ-EC

1993年に電動アシスト自転車“PAS”を世界で初めて開発・発売したYamahaのクロスバイクになります。パワフルなアシストを実現する Yamaha独自のドライブユニットに、13.3 AH の大容量バッテリーで快適な走りが体験できます。日本で培った、経験と技術は、日本の町を走るのに安心1台になります。

デザイン★★★☆☆
性能★★★★☆
コスパ★★★★☆
価格(税込み)28.6万円

最後に、公道をはしれるe-BIKE とはしれないe-BIKE の違いを理解したら、自分にあったe-BIKE を見つけて、楽しいe-BIKE 生活を始めましょう。自分にあったe-BIKEがあれば、生活が広がります。e-BIKEにのれば、毎日発見があります。 自分にあったe-BIKEで、ちょっと寄り道、ちょっといつもより遠くまで、今までいけなかった場所まで行ってみる。もしくは、目的もなくこぎだしてみる。そうすると新しい発見、新しい出会いがあります。

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